
昨今のランニングブームにより、走ることへの関心が高まりつつあります。
TV番組では100m走の芸能人NO1決定戦(TEPPEN)や炎の体育会TVなど、今までになかなか見られなかった陸上競技の番組が増えてきました。
最近では元陸上十種競技日本王者である武井壮さんによる世界マスターズへの挑戦も話題になりました。
そこで今回は、陸上短距離の花形種目である100mの足が速くなる方法をご紹介します。
走り方は大きく分けて2走法
走り方には大きく分けてピストン走法とフラット走法の2走法があります。
ピストン走法
まずはピストン走法について説明していきます。
ピストン走法とは腕を大きく振り、膝を高く上げ、膝から下の末端部分(膝関節、足関節)の伸展動作により、地面を母指球の辺りで力強く蹴って前に進んでいくオーソドックスな走り方です。
階段を駆け上っていくような走り方をイメージするとわかりやすいです。
日本でも北京オリンピック400mリレー銅メダリストの朝原宣治さんや塚原直貴さん、世界選手権400mハードル銅メダリストの為末大さんがこの走り方に近いタイプです。
最近だと桐生祥秀選手や山縣亮太選手、そしてケンブリッジ飛鳥選手などがこの走り方に近いタイプとして挙げられます。何故、『近いタイプ』なのかは後程、詳しく説明します。
フラット走法
次にフラット走法について説明していきます。
フラット走法とは重心移動を意識した走り方で、膝から下の末端部分(膝関節、足関節)は固定させてフラット接地(土踏まずの辺りで着地)させます。
膝は高く上げすぎず、振り子の動作のように股関節を伸展させて走ります。
ピストン走法と比べると非常に上下動の少ない走り方になり、先程とは逆の階段を駆け下りていくようなイメージです。
日本のトップスプリンターでこの走り方をしていたのが100m日本記録保持者の伊東浩司さんと世界選手権200m銅メダリストの末續慎吾さんです。女子100m日本記録保持者の福島千里選手もこの走り方です。
欧米人と比べ、骨盤が後傾気味の日本人に向いているとされている走り方です。
それぞれの走り方に応じたスパイクの選び方については、陸上インターハイ入賞者が陸上スパイク(短距離)の選び方を紹介!を参考にしてみて下さい。
理想的な走り方とは!?
先程、ピストン走法の説明の際に『近いタイプ』という表現をしましたが、何故そのような表現をしたかというと、股関節の伸展動作が非常に上手く出来ているという点でピストン走法とは若干異なるからです。
世界には様々な走り方をしている選手が多数いますが、ピストン走法でもフラット走法でも世界のトップスプリンターに共通している点は股関節の伸展動作が非常に上手く出来ているという点です。
更に言ってしまうと、世界のトップスプリンターは股関節の伸展動作の他に膝関節、足関節(足首)の固定がされており、膝は高く上がっているけれどもフラット走法に近い走り方をしているということです。
つまり、速く走る上で理想的な走り方とは従来のピストン走法と2000年以降、日本で主流だったフラット走法を上手く融合させた走りと言えそうです。
その為には股関節伸展筋である大臀筋やハムストリングスを中心にトレーニングを行う必要があります。
最後に
速く走る為には様々な思考錯誤が必要不可欠です。
走りには人種による身体能力の違いや筋肉、骨格の違いなど、様々な要因が影響してきます。
その中で自分に合ったオリジナルな走り方を見つけ出すということが重要です。
上記に踏まえた点を意識して、ぜひ自分だけのオリジナルな走り方を見つけてみて下さい。